解答・解説 l i b r a r y a n d i n f o r m a t i o n s c i e n c e c3000...

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JUSONBO 宮 沢 厚 雄 三部作 キイノート のすべての設問に対し、 解答を提示 豊富な解説を、 内容の理解と発展的学習のために付与 分類法と目録法では、 実際の授業での試験問題を公開 Library and Information Science 解答・解説サブノ 試験問題公開 キイノート対応 三部作 分類法 目録法 検索法

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  • JUSONBOJUSONBO

    定価:本体4,000円(税別)

    ISBN978-4-88367-320-9

    C3000 ¥4000E

    SAMPLE

    2019年5月30日 初版第1刷発行

       著 者   宮 沢 厚 雄  検印廃止 発行者   大 塚 栄 一

    発行所   〒112−0002 東京都文京区小石川5丁目11番7号 電話 03−3868−7321 FAX 03−6801−5202 http://www.jusonbo.co.jp/ 振替口座 00190−3−93169

    表紙デザイン/宮沢厚雄 本文組版/BERTHOffice 印刷・製本/倉敷印刷株式会社

    ⓒMMXIXMIYASAWA,ATSUO PrintedinJAPAN乱丁・落丁本は小社にてお取り替えいたします。

    株式会社

    解答・解説サブノート試験問題公開

    JUSONBO JUSONBO

    宮 沢 厚 雄

    1 三部作「キイノート」のすべての設問に対し、 解答を提示

    2 豊富な解説を、 内容の理解と発展的学習のために付与

    3 分類法と目録法では、 実際の授業での試験問題を公開

    解答・解説サブノート

    宮 沢

    L i b r a r y a n d I n f o r m a t i o n S c i e n c e

    解答・解説サブノート試験問題公開解答・解説サブノート

    試験問題公開

    「キイノート」対応三部作分類法目録法検索法

    三部作   

    「キイノート」対応

    分類法

    目録法

    検索法

    JUSONBO

  • JUSONBO

    宮 沢 厚 雄

    解答・解説サブノート試験問題公開

  • 0 0 3

    本書の特色

    1。本書は,三部作「キイノート」のすべての設問に対し,解答を提示しています。なぞなぞ(目録法キイノート)から,接遇のあり方を問う問答形式の問題(検索法キイノート)まで,あるいは,分類表の作成(分類法キイノート)から,無償で利用のできる検索サイトを使った情報検索(検索法キイノート)まで,三部作「キイノート」収載の演習問題すべてに解答を示しています。ただ,三部作「キイノート」は「問題集」ではなく,演習問題はあくまでも本文の理解を確保する目的で設けられています。

    2。本書は,豊富な解説を,内容の理解と発展的な学習のために付与しています。ありきたりな答え合わせにとどまらず,解答へと至るまでの道筋を詳しく解説しています。分類法キイノートならば,分類記号が組成される過程を説き明かし,目録法キイノートでは,書誌記述をしるすさいに誤りやすい箇所を指摘し,検索法キイノートは,重要なトピックスにページを割いて説明を加えています。単なる「解答集」ではなく,本体である三部作「キイノート」の内容をより発展させる役割も担っています。

    3。本書は,分類法と目録法に関し,実際の授業での試験問題を公開しています。試験問題は,早稲田大・青山学院大・国学院大・大東文化大・東海大で「情報資源組織演習」の授業を非常勤として担当したさいに使用したものです。A4判の表裏に印刷した問題用紙で,授業最終日に持込可の60分で実施。ただし,年度によりクラスにより,設問の一部差し替えを講じました。解答は示しませんが,参考までに。検索法は該当する科目を受け持つことがなかったので,試験問題の掲載はありません。

    *本書は三部作「キイノート」が対象ですが,版次でいえば,分類法キイノートについては「増補第 2 版」にも「第 3 版」にも,いずれにも対応しています。目録法キイノートと検索法キイノートは,言うまでもなく「初版」です。**本書の記述は,2019年 3 月時点のものです。そのことは,検索法キイノートでの情報検索の演習問題,すなわち,第 8 章の「問い 7 」と「問い 8 」,それに第14章の「問い 6 」と「問い 7 」を解き進めるにさいして,とりわけ留意してください。

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    はじめに

    主題分析(1)

    主題分析(2)

    主題分析(3)

    補助表(1)

    補助表(2)

    補助表(3)

    補助表(4)

    補助表に関する総合演習問題

    分類規程(1)

    分類規程(2)

    分類規程(3)

    分類規程に関する総合演習問題

    分類法に関する総合演習問題

    請求記号

    試験問題

    分類記号の位置付け

    分類記号付与の基本手順/演習問題

    本表(細目表)と階層構造/演習問題

    主題の特定と相関索引/演習問題

    形式区分/演習問題

    地理区分・海洋区分/演習問題

    言語区分・言語共通区分/演習問題

    文学共通区分・地域的論述の細区分・その他の固有補助表/演習問題

    演習問題

    複数主題(対等と相互作用)/演習問題

    複数主題(重点処置)と原著作・関連著作/演習問題

    伝記/演習問題

    演習問題

    演習問題

    所蔵事項としての分類記号/演習問題

    分類法

    分類法キイノートの部目 次

    009

    011

    013

    016

    020

    025

    029

    033

    041

    044

    047

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    はじめに

    データベース(1)情報検索

    データベース(2)規則性

    データベース(3)格納場所

    コンピュータ目録(1)レコード構成

    コンピュータ目録(2)検索戦略

    コンピュータ目録(3)主題検索

    総合演習問題(図書と雑誌本体の検索)

    学術論文(1)前付・本文

    学術論文(2)後付

    学術論文(3)論文検索

    学術論文(4)全文検索

    学術論文(5)電子ジャーナル

    総合演習問題(雑誌論文と文献の検索)

    リレーショナル=データベース

    図書館サービスと検索法, データ・情報・知識・知恵

    情報検索の定義, データベースの要件/演習問題

    ファイル, 可変長形式, デリミタ・タグ・インデクス/演習問題

    記憶装置, 編成方法, アクセス方法, データ=モデル/演習問題

    レコード構成, 読み形, 分かち書き, 転置ファイル/演習問題

    マッチング, 例外規程, トランケーション, 論理演算/演習問題

    件名標目表, 適合率と再現率, 主な検索サイト/演習問題

    演習問題

    標題, 抄録, 序論・本論・結論, 「逆三角形型」/演習問題

    引用・参照・参考, 文献リスト(書式・対応方式)/演習問題

    雑誌記事索引, 引用文献索引, インパクト=ファクター/演習問題

    単語インデクス方式, 文字インデクス方式, 索引技法/演習問題

    シリアルズ=クライシス, オープン=アクセス運動/演習問題

    演習問題

    数学における「関係」, 正規化, 演算操作, SQL/演習問題

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    はじめに

    日本目録規則

    タイトルと責任表示(1)

    タイトルと責任表示(2)

    タイトルと責任表示に関する総合演習問題

    版表示,出版・頒布等の事項

    形態,注記,ISBN

    単行書に関する総合演習問題

    書誌単位(1)

    書誌単位(2)

    3層の書誌階層(1)

    3層の書誌階層(2)

    書誌単位に関する総合演習問題

    目録法に関する総合演習問題

    見出し項目の選出と編成

    試験問題

    目録の原義,図書館目録の構成,目録と書誌,情報資源組織

    日本目録規則,記述の情報源,転記の原則,記述の形式/演習問題

    タイトル関連情報,並列タイトル,責任表示,他/演習問題

    部編名,別タイトル,複数の責任表示,他/演習問題

    演習問題

    版と刷,出版地,出版者と頒布者,出版年/演習問題

    ページ数,大きさ,注記(内容細目など),ISBN/演習問題

    演習問題

    出版形態,書誌単位,多冊ものの書誌記述,巻次/演習問題

    シリーズものとセットものの書誌記述,2層の書誌階層/演習問題

    集合・基礎・構成から成る3層の書誌階層,他/演習問題

    下位のシリーズが加わった3層(2+1)の書誌階層/演習問題

    演習問題

    演習問題

    見出し項目の選出とその表記,典拠コントロール,編成/演習問題

    目録法

    075

    076

    078

    080

    084

    085

    087

    091

    093

    096

    098

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    107

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    検索法キイノートの部目録法キイノートの部 目 次目 次

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          ●①491. 333      解説 想定されるキーワードは「あくび」です。相関索引に立項されています。本表で確認すると,当該分類記号の注記に「*くしゃみ,あくびは,ここに収める」とあります。階層構造が「400自然科学→490医学→491基礎医学→491. 3生理学→491. 33呼吸→491. 333呼吸運動」と降りてきていることも,確認します。●②619. 6解説 キーワードは「脱脂大豆」で,相関索引に立項されています。ただし,本表で確認すると,当該分類記号の項目名は「大豆・豆類製品:納豆,豆腐,凍豆腐,湯葉」であり,ここに「脱脂大豆」という言葉が存在していないことに要注意です。「619. 6」は「農産物加工品で大豆を使ったもの」という主題(概念)を表しており(本表の分類項目上には存在しなくとも),その主題(概念)のなかに「脱脂大豆」は含まれているのです。●③911. 124解説 キーワードは「万葉集」で,相関索引に立項されています。ただし,本表を確認すると,「911. 12万葉集」の下位に「911. 124(万葉集の)評釈.注釈.語釈」という,本件にふさわしい,より特定性の高い分類記号が見出せるので,こちらを採択します。●④727. 8解説 想定されるキーワードは明らかに「カリグラフィー」ですが,相関索引に採択されてはいません。そこで,本表の階層構造を上位からたどることとします。 本表で「700芸術→720絵画→728書道」と降りていくと,「728」の項目に

    「Calligraphy」という英文名称が見出せます。そこで「728. 07(書道の)技法」あるいは「728. 1(筆文字における)書体論」などが妥当ではないかと思案します。 しかしながら,「728」の下位をみると,たとえば「728. 3(書道の)材料:筆,墨,紙,硯,界尺」といった項目があり,このカテゴリ全体は,毛筆と墨汁を使い,その特徴を活かして,漢字や仮名文字の美しさを紙葉のうえに表現する,中国や日本での造形芸術のことだと判断できるのです。同様に「728. 9ペン習字」「728. 93英習字」も,ペンや鉛筆などの硬筆を使って,読みやすくバランスのとれた文字が書けるようにすることを目的としており,基本的な考え方は毛筆による書道の応用です。 本件は,ペンとインクを使い,ローマ字を美的に装飾表現しようとする,西洋の造形芸術です。筆と墨による書道ではありません。したがって,一つ前のカテゴリ「727グラフィックデザイン」に入り,その下位にある「727. 8装飾文字」を採択すべきものと判断します。

    第2章(分類法キイノート)2問い1

  • 目録法キイノート

    L i b r a r y a n d I n f o r m a t i o n S c i e n c e

    目録法キイノートLibrary cataloging is the process of creating metadata representing information resources, such as books, sound recordings, moving images, etc. Library cataloging provides information such as creator names, titles, and subject terms that describe resources, typically through the creation of bibliographic records. The records serve as surrogates for the stored information resources. Descriptive cataloging has been defined as the part of cataloging concerned with describing the physical details of a book, such as the form and choice of entries and the title page transcription. Subject cataloging may take the form of classification code or subject heading. Classification code involves the assignment of a given document to a class in a classification system. Subject heading is the assignment of characterizing labels to the documents represented in a record.

    目録法キイノート

    日本目録規則[1987年版  ]対応宮 沢 厚 雄

    改訂3版

    日本目録規則﹇1987年版   ﹈対応

    改訂3版

    はじめに

    日本目録規則

    タイトルと責任表示(1)

    タイトルと責任表示(2)

    タイトルと責任表示に関する総合演習問題

    版表示,出版・頒布等の事項

    形態,注記,ISBN

    単行書に関する総合演習問題

    書誌単位(1)

    書誌単位(2)

    3層の書誌階層(1)

    3層の書誌階層(2)

    書誌単位に関する総合演習問題

    目録法に関する総合演習問題

    見出し項目の選出と編成

    目録の原義,図書館目録の構成,目録と書誌,情報資源組織

    日本目録規則,記述の情報源,転記の原則,記述の形式/演習問題

    タイトル関連情報,並列タイトル,責任表示,他/演習問題

    部編名,別タイトル,複数の責任表示,他/演習問題

    演習問題

    版と刷,出版地,出版者と頒布者,出版年/演習問題

    ページ数,大きさ,注記(内容細目など),ISBN/演習問題

    演習問題

    出版形態,書誌単位,多冊ものの書誌記述,巻次/演習問題

    シリーズものとセットものの書誌記述,2層の書誌階層/演習問題

    集合・基礎・構成から成る3層の書誌階層,他/演習問題

    下位のシリーズが加わった3層(2+1)の書誌階層/演習問題

    演習問題

    演習問題

    見出し項目の選出とその表記,典拠コントロール,編成/演習問題

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    定価:本体1,500円(税別)

    ISBN978-4-88367-260-8

    C3000 ¥1500E

    2016年3月1日 初版第1刷発行2018年4月24日 初版第2刷発行

       著  者   宮 沢 厚 雄  検印廃止 発 行 者   大 塚 栄 一

    発 行 所   〒112-0002 東京都文京区小石川5丁目11番7号 電 話 03-3868-7321 FAX 03-6801-5202 http://www.jusonbo.co.jp/ 振替口座 00190-3-93169

    表紙デザイン/宮沢厚雄 本文組版/BERTH Off ice 印刷・製本/倉敷印刷株式会社

    ⓒMMXVI MIYASAWA, ATSUO Printed in JAPAN乱丁・落丁本は小社にてお取り替えいたします。

    株式会社

    目録法キイノート

    JUSONBO

    JUSONBO JUSONBO

    JUSONBOJUSONBO

  • 10 6

          太郎さんが読了したのは,継続して刊行されていた時期の多冊もの(あるい      は,セットもの)であって,分冊のそれぞれが発売されるたびに購入して一冊ずつ順に読んでいたので,完結までの三年という時間がかかってしまった。花子さんは,全巻が完結した後にまとめ読みしたので,実質三日間で読み終えることができた。解説 この30冊は,おそらくコミックスです。マンガは,一般的にはコミック誌で連載がなされ,その雑誌連載が定期的にまとめられて単行書となり,一定の頻度で刊行されます。連載が長期にわたる続きものを単行書で読んでいくとすれば完結までに数年はかかりますが,長編ものであっても完結後に一気に読めば数日間での読了は可能でしょう。■

    目録法キイノート

    10 7

    13

    問い6

          ●1。別タイトル      解説 接続詞の「一名」に着目します。書誌事項の名称を問うているので,答えは「戴冠せるアナーキスト」とはなりません。●2。書誌ユーティリティ解説 ユーティリティ(utility)は,ここでは,人びとの日常生活に欠くことのできない公益事業を指します。書誌ユーティリティは,電気・ガス・水道などと同じように,需要に応じて書誌情報を安定的に提供する事業体のことです。●3。森永製菓株式会社解説 法人組織を示す語句の扱いです。責任表示での団体著者では,原則として省くのですが,例外として「株式会社」が名称の後ろにおかれる「後株(あとかぶ)」のみ,省略しません。なお,出版者の項では,例外なく,法人組織を示す語句は省略します。●4。1989解説 版と刷とで,省略されている箇所を補えば,「昭和62年初版第 1刷発行/平成元年改訂版第 1刷発行/平成 2年改訂版第 2刷発行」となります。出版年は,一番新しい版の第 1刷の年を,西暦で記録します。この場合は「平成元年」つまり「平成 1年」ということなので,西暦は「1988+ 1」から計算します。「年」の文字は,付けません。●5。標目解説 コンピュータ目録では見出し項目の存在をあまり意識しませんが,カード目録の時代には標目の選出・表記・編成が非常に重要でした。●6。8解説 ISSN(International Standard Serial Number)は,逐次刊行物,とくに学術雑誌を識別する国際的なコード体系。全 8桁で,ハイフンで 4桁ずつに分割されています。●7。渋沢竜彦解説 情報源で表示が異なる場合には,主たる情報源4箇所の多数決で,2対2では標題紙を含むほうで,すべて異なれば優先順位にしたがって,記録します。本件では,1対2の多数決で判断しました。●8。逐次刊行物解説 出版形態における,個別・総合タイトルのある無しと,刊行状況での完結か継続かを確認してください。●9。総合目録解説 総合目録と蔵書目録との相違を確認のこと。

    第14章(目録法キイノート)14問い1

  • 17 2

          ●ノーバート=ウィーナーは,米ミズーリ州生まれの数学者。神童としてな      らし,11歳でタフツ=カレッジに入学,ハーバード大学の大学院に14歳で入り,18歳で数理論理学に関する論文により同大学の博士号を取得。その後,英ケンブリッジ大学や独ゲッチンゲン大学に留学し,24歳のときにマサチューセッツ工科大学で数学科の講師の職を得ます。 第二次世界大戦中,射撃の制御装置に関する研究を進めながら,目標追求のための自動制御の理論として,サイバネティックス(cybernetics)――「(船の)かじ取り」を意味するギリシア語からの造語――という学問分野の確立を試みます。制御(control)とともに,サイバネティックスの基本概念とされるのが,フィードバック(feedback)です。日常用語では,製品やサービスについて,利用者からの評価や意見を関係者側に反映させて,いっそうの改善を加えることですが,制御工学でのフィードバックは,システムの出力側の一部を入力側に差し戻し,システム全体の調整をはかることをいいます。ある機能をもったシステムが特定の目的に向かって何らかの作用を開始したとき,そこで起こる反作用をシステム側に取り込むプロセスです。ウィーナーは,フィードバックが通信システムだけでなく,生物や人間,社会全体においても起こっていることを突き止めようとしました。 このサイバネティクスの理論は『Cybernetics : or Control and Communication in the Animal and the Machine』の標題で,初版が1948年,第 2 版が1961年の刊行で,まとめられています。邦訳は,第 2 版を底本とした『サイバネティックス第 2 版:動物と機械における制御と通信』(岩波書店,1962年)です。●J. C. R. リックライダーは,米ミズーリ州生まれ。音響心理学で博士号を取得。1960年に論文「Man-Computer Symbiosis(人とコンピュータの共生)」を発表し,異なる能力をもつ人間とコンピュータが互いに補い合って長所を統合していく必要性を示したことで,情報化社会のあり方を予言したものとなっています。 1962年にリックライダーは,アメリカ国防総省の高等研究計画局(ARPA)の研究部門であるIPTO(Information Processing Techniques Office)の初代部長となり,二年ほどの在任期間中に,後のARPANETにつながるアイデアを同僚らに披歴します。このアイデアは,三代目部長となったロパート=テーラー(Robert W. Taylor,1932−2017)に引き継がれ,1966年にARPANETのプロジェクトが正式に始動。1969年になって,カリフォルニア大学ロサンゼルス校,スタンフォード研究所,カリフォルニア大学サンタバーバラ校,ユタ大学の,4か所のコンピュータが相互接続され,ARPANETが実際に稼働するに至るのです。コンピュータ同士をつなぐことで,遠隔地の大学にあるリソースを,自分の大学の端末機から使いたいという現実的な理由がありました。核攻撃に耐えうる通信ネットワークの構築という軍事目的は,後付けで兼ねるようになったものです。 リックライダーは,1968年にマサチューセッツ工科大学の電気工学科の教授となり,コンピュータ関連の先駆的な学術研究プロジェクトを主導しました。

    検索法キイノート

    17 3

    ●ティム=バーナーズ–リーは,イギリスのロンドン生まれ。オックスフォード大学クイーンズ=カレッジで物理学を専攻。 スイスにあるCERN(セルン,Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire,欧州原子核研究機構)に在職中の1989年,後にWWW(World Wide Web)へと発展することになる,グローバルなハイパーテキストに関するプロジェクトの公式提案を行ないます。 ハイパーテキスト(hypertext)は,複数の文書(テキスト)を関連付けて,相互に結び付ける仕組みです。ある文書に別な文書のリンク情報を埋め込み,このリンク情報をクリックすることで,ある文書から別な文書へとジャンプして表示を切り替えられるのです。バネバー=ブッシュがmemex(メメックス)の機能として青写真を描き,ダグラス=エンゲルバート(Douglas Engelbart,1925−2013)が自身の開発した大規模な装置・NLS(oN-Line System)で実現させたハイパーテキストを,バーナーズ–リーはインターネット上で利用することを提案したのです。 翌1990年にはより具体化した提案書を提出,WWWを表現するための言語(HTML,HyperText Markup Language),WWWの通信上の規約(HTTP,HyperText Transfer Protocol),WWWを呼び出すためのインターネット上の番地(URL,Uniform Resource Locator)を設計しました。 インターネットで,WWWの機能を表示する文書のことをウェブ=ページ(その集合体はウェブ=サイト)と呼びます。1993年にCERNは,WWWをだれに対しても無償で開放することを発表。閲覧用の専用ソフト(ウェブ=ブラウザ)さえあれば,インターネット上にある世界中のウェブ=ページを表示できるようになりました。 バーナーズ–リーは1994年にマサチューセッツ工科大学に着任した直後,W3C(ダブリュースリーシー,World Wide Web Consortium)を設立。W3Cは,WWWで使用される各種技術の標準化を策定する非営利団体として,活動が続いています。 本項は,中野明著『IT全史:情報技術の250年を読む』(祥伝社,2017年)を参照しました。

          ①国立情報学研究所,②ILLサービス,③シリアルズ=クライシス,      ④機関リポジトリ,⑤ラーニング=コモンズ解説 図書館の業務機械化の概略を尋ねる設問です。穴埋め箇所に適切な語句を挿入して全体を通読すれば,業務機械化の歴史を駆け足でたどることができます。■

    13

    問い2

    問い3

    subnte.hyousi.20190515 (1)subnote-maetsuki.20190515 (1)subnote-bunrui.2kou.20190515 (1)