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2015年12月
電子情報産業の世界生産見通し 2015
9784905110835
1920055060004
ISBN978-4-905110-83-5 C0055 ¥6000E
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電子情報産業の世界生産見通し
目 次 2
はじめに 3
Part1 総論1. 電子情報産業の世界生産見通し 42. 日系企業の世界生産見通し 63. 電子工業の国内生産見通し 84. 世界生産額318.1兆円の内訳(2015年見込み) 105. 日系企業生産額42.8兆円の内訳(2015年見込み) 116. 日系企業の位置づけ 127. 電子情報産業の地域別ウェイト(生産/需要) 148. 電子情報産業の世界生産額10年間の推移 16
Part2 各論1. 薄型テレビ 182. 映像記録再生機器 193. 撮像機器 204. カーAVC機器 215. 携帯電話(スマートフォン含) 226. サーバ・ストレージ 237. パソコン 248. 液晶モニタ 259. プリンタ 2610. イメージスキャナ/OCR 2711. 電子タブレット端末 2812. 電気計測器 2913. 医用電子機器 3114. 電子部品 3015. ディスプレイデバイス 3216. 半導体 3317. ITソリューション・サービス 34
電子情報産業の世界生産額(2013年実績) 35電子情報産業の世界生産額(2014年実績) 36電子情報産業の世界生産額(2015年見込み) 37電子情報産業の世界生産額(2016年見通し) 38
調査概要 39
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はじめに
2015年の日本経済は、円安を背景とした企業収益の拡大、良好な雇用情勢から実質賃金上昇
など好材料はあるものの、個人消費や設備投資を押し上げる力は弱く回復が待たれております。
一方、世界経済は、IMFの世界経済見通し(2015年10月)によると、2015年の実質経済成長率は、
2015年3.1%となっております。2016年は中国経済の減速による生産鈍化や投資抑制などが懸
念されているものの、3.6%の成長が見込まれております。
今回の『電子情報産業の世界生産見通し』(赤本)では、世界生産額は、為替変動の上ぶれもあ
り2015年は318.1兆円、対前年13%増、2016年は327.3兆円、同3%増と見通しております。
CPS/IoT社会に向けたスマートフォン等のインターネットに繋がる機器の拡大や、自動車のIT化
を取り込む電子部品・デバイス、各産業に拡がるITソリューション・サービスの伸長を期待し、
堅調な成長を見込んでおります。中でも電子工業の国内生産額は、2014年の4年ぶりとなるプ
ラス成長に引き続き、2015年12.6兆円、同7%増、2016年12.9兆円、同3%増と3年連続のプ
ラス成長を見通しており、大変明るい兆しと言えます。
そうした中、JEITAでは、実世界(フィジカル空間)と仮想世界(サイバー空間)の情報連携によ
り新たな付加価値を生みだす新しいコンセプトであるCPS/IoTの社会実装を積極的に推進して
いるところです。IT・エレクトロニクス産業がプラットフォームとなり、自動車、ヘルスケア、
エネルギー、社会インフラなど成長が見込まれる分野と連携することで、わが国が直面する社
会的課題の解決と新たなビジネスの創出を目指しています。
今回で6回目となる『注目分野に関する動向調査』では、CPS/IoT社会の到来を見据えて、来る
べき社会で鍵となる製品分野に注目し「ウェアラブル端末」「ワイヤレスモジュール」「センサ」に
ついて、それぞれ世界市場動向を調査いたしました。
今後も内外のご意見を広く受け止め、改善と拡充を重ねることにより、産業界にとどまらず、
広く一般の皆様に活用していただけるよう、毎年ご報告していきたいと思います。この『電子情
報産業の世界生産見通し』(赤本)が、少しでも内外の皆様のお役に立てば幸いです。
2015年12月
一般社団法人 電子情報技術産業協会
会長 水嶋 繁光
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電子情報産業の世界生産見通し
電子情報産業における2015年の世界生産額は、スマートフォンや薄型テレビ等の拡大や為替変動による上ぶれもあり318兆870億円(対前年13%増)と見込んだ。今後は、CPS/IoT社会に向けた、スマートフォン等のインターネットに繋がる機器の拡大や、自動車のIT化を取り込む電子部品・デバイス、新しい価値の創造に向けたITソリューション・サービスの伸長も見込め、2016年には327兆2,898億円(同3%増)と5年連続のプラス成長を見通した。
2015年の世界経済は、先進諸国を中心に緩やかな成長持続傾向にある。特に米国経済は、雇用改善、消費・住宅投資の改善が顕著で設備投資も回復している。しかし、新興諸国では中国の景気減速の動きや資源価格の下落を受け成長は鈍化の傾向にある。そのような中で、高速無線通信網の拡がりと共にマルチバンド化や省エネ化の進むスマートフォンや、大画面化・高付加価値化が進む薄型テレビが堅調に拡大し、さらに、為替変動による上ぶれもあり、2015年の電子情報産業(電子工業とITソリューション・サービスの合計)の世界生産額は、318兆870億円(対前年13%増)、うち電子工業(電子機器と電子部品・デバイスを合わせたハードウェア)の世界生産額は234兆5,827億円(同14%増)と4年連続のプラス成長を見込んだ。
2016年の世界経済は、新興諸国の成長率の鈍化など懸念材料が一部にはあるものの、欧米経済は原油安のメリットから成長持続、インドや東南アジア等での消費拡大やインフラ整備、日本でも消費拡大と企業増益による設備投資増加による成長が見込める。電子情報産業では、CPS/IoT社会に向けた、スマートフォン等のインターネットに繋がる機器の拡大を見込む。また自動車のIT化の進展は電子部品や半導体の搭載数増加に繋がる。さらに、CPS/IoT社会の到来を見据え、様々な分野での新しい価値を創造するための取組みが進展しITソリューション・サービスの需要が拡大することから、2016年の電子情報産業の世界生産額は対前年3%増と5年連続のプラス成長を見通した。
AV機器世界生産額
通信機器
電子部品ディスプレイデバイス
半導体
ITソリューション・サービス
コンピュータおよび情報端末
その他電子機器
178,193
835,043700,823 757,069
406,362296,417
354,315
177,747
136,574151,838
239,441
196,187217,325
148,076
124,097133,222
523,913
462,640484,799
644,400
467,890
544,019
205,888
162,095
3,180,870
2,546,723
2,820,78011%
7%
5%
16%
11%
11%20%
8%
10%
13%
16%18%
8%
11%10%
17%15%
10%
2015年(見込み)
878,586
411,941
182,889
246,173
153,135
513,779
679,321
207,0743,272,8983%
1%
5%
-2%
3%3%
3%1%
5%
2016年(見通し)
2013年(実績)
2014年(実績)
■電子情報産業の世界生産額推移
(単位:金額=億円,対前年伸び率=%)
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日系企業の世界生産見通し
電子情報産業における2015年の日系企業生産額(海外生産分を含む)は、薄型テレビや電子部品・デバイスの好調や為替変動による上ぶれもあり、42兆7,968億円(対前年7%増)と3年連続のプラス成長を見込んだ。2016年は、世界市場での高信頼性・高級志向の高まりや省エネ・小型化の進展に日系企業の優位性があること、日本市場でも攻めのIT投資増加が期待できることから43兆4,816億円(同2%増)とプラス成長を見通した。
日系企業の経営環境はアベノミクスによりプラス傾向となっている。薄型テレビでは海外での大画面や高機能・高性能・高価格帯の需要が根強く底堅い。また信頼性や省エネ化など日系メーカの得意技術を盛り込んだスマートフォン等の製品へのニーズも強く電子部品やディスプレイデバイス、半導体は好調に推移した。一方で日系企業が得意としていた単体製品の市場へスマートフォンの浸食が見られるものの、為替変動の上ぶれもあり、2015年の世界生産に占める日系企業の生産額(海外生産分を含む)は電子情報産業で42兆7,968億円(対前年7%増)、うち電子工業で36兆8,258億円(同8%増)と見込んだ。
2016年に向けては、世界経済の緩やかな伸びが期待されている。電子部品・デバイス分野では、自動車のIT化の進展やIoT機器の拡大により日系企業が得意とする高機能・高信頼性ニーズが一層高まる。またITソリューション・サービス分野では、日本市場での攻めのIT経営に向けた動きやセキュリティ対策に向けた動きが加速することで新たなIT投資の伸展が見込め、さらに2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて各産業や社会インフラ分野を中心としたIT投資が活発化することから、電子情報産業全体としては、プラス成長を見通した。
AV機器
通信機器
コンピュータおよび情報端末
その他電子機器
電子部品
ディスプレイデバイス
半導体
ITソリューション・サービス
日系企業生産額
2013年(実績)
2014年(実績)
2015年(見込み)
2016年(見通し)
56,145
44,793
17,902
74,818
23,302
66,762
37,957
54,866
376,545
56,867
47,555
20,190
82,792
24,086
73,756
36,529
56,581
398,356
59,710
51,365
23,555
91,908
25,233
76,763
36,609
62,825
427,968
62,397
52,729
24,357
94,181
25,649
75,257
37,214
63,032
434,816
0%
2%
-2%
2%
2%
3%3%
5%
2%
11%
5%
4%
0%
11%
17%8%
5%
7%6%
3%
-4%
10%
3% 11%
13% 6%
1%
■日系企業の生産額推移
(単位:金額=億円,対前年伸び率=%)
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電子工業の国内生産見通し
電子工業における2015年の国内生産額は、12兆5,802億円(対前年7%増)と4年ぶりプラス成長となった2014年に続き、2年連続のプラス成長を見込んだ。今後も電子部品・デバイスの輸出拡大や国内需要の改善が期待できることから、2016年には12兆9,426億円(同3%増)と3年連続のプラス成長を見通した。
国内経済は、実質賃金上昇で個人消費・住宅投資は回復、企業増益を背景に設備投資も底堅く推移しつつある。電子工業では、輸出の柱となっているディスプレイデバイスや半導体・電子部品などが国内生産増加の牽引役となっている。その要因としてスマートフォンの大画面化やマルチバンド化による搭載数増加があげられる。また、電気計測器やプリンタ等の国内生産も回復しつつあり、電子工業における2015年の国内生産額は対前年7%増と、東日本大震災の影響で落ち込んだ2011年以降、実に4年ぶりプラスとなった前年に続き、2年連続のプラス成長を見込んだ。
2016年は、国内で生産する小型・薄型・省エネに
貢献する高信頼性電子部品や半導体が、スマートフォンの高機能化や、電装化率の向上による車載向け需要が増加することで、搭載数のさらなる増加が期待できる。また企業増益からIT投資も拡大、サーバやパソコンの需要増加も見込めることから2016年はプラス成長を見通した。日系企業の国内生産比率は35%となり、「ディスプレイデバイス」(日系国内生産比率92%)、「サーバ・ストレージ」(同77%)、「医用電子機器」(同70%)、「電気計測器」(同68%)、「半導体」(同66%)など、高度な信頼性や品質を要求される分野では、引き続き高い国内生産水準が維持される。
AV機器通信機器
コンピュータおよび情報端末
その他電子機器
電子部品
ディスプレイデバイス
半導体
電子工業の国内生産額
2013年(実績)
2014年(実績)
2015年(見込み)
2016年(見通し)
34,039 34,898
21,690 22,471
26,407 27,217
13,204 13,659
11,414 11,732
12,22312,509
6,8256,941125,802
129,426
2%
3%
3%
2%
3%
4%
3%
3%
30,705 32,551
15,87618,314
23,11924,135
11,62712,386
12,03012,014
13,43111,451
8,223 6,930115,012 117,782 -2%
7%
-5%
7%
9%
18%
5%
7% 2%
-16% -15%
0%
7%
4%
15%
6%
■電子工業の国内生産額推移
(単位:金額=億円,対前年伸び率=%)